夕日の國Country of the sitting sun和紙、シルクスクリーンWashi, silkscreen printingH970 × W1170mm × 4点
想像上の世界を描く。 誰しも一度は思い描いたことがあるであろうここではない世界、現実ではない世界への強い憧れのヴィジョンを版表現で表す。 ここではない憧れの世界は戻った人間が居ないため憧れとして成立していて、その思いや気持ちははっきりとした色彩や地に足をつけた表現で表せるものではないと私は考える。 そのため、手順や描画方法が大きな意味を持つ。誓約や欠落を抱えてまでも表現することで、その世界は具現化することができるのだ。 喜入美帆
画面にひろがる無数のタッチ。シルクスクリーンで刷り取られた淡い色彩が、幾重にも折り重なりながら、和紙の表面を覆い尽くしている。作者の息遣いまで伝わってくるような、繊細な絵肌から受けるイメージは、観る者のこころを映し出す鏡のようだ。捉えようとするほどに逃れてゆく、彼方の光と何者かの気配。ことばにならない“それ”に近づくために、タッチを繰り返す祈りにも似た行為は、版表現における反復性と感応しながら、新しい絵画の出現を予兆させる。 油絵学科教授 高浜利也
作者より
想像上の世界を描く。
誰しも一度は思い描いたことがあるであろうここではない世界、現実ではない世界への強い憧れのヴィジョンを版表現で表す。
ここではない憧れの世界は戻った人間が居ないため憧れとして成立していて、その思いや気持ちははっきりとした色彩や地に足をつけた表現で表せるものではないと私は考える。
そのため、手順や描画方法が大きな意味を持つ。誓約や欠落を抱えてまでも表現することで、その世界は具現化することができるのだ。
喜入美帆
担当教員より
画面にひろがる無数のタッチ。シルクスクリーンで刷り取られた淡い色彩が、幾重にも折り重なりながら、和紙の表面を覆い尽くしている。作者の息遣いまで伝わってくるような、繊細な絵肌から受けるイメージは、観る者のこころを映し出す鏡のようだ。捉えようとするほどに逃れてゆく、彼方の光と何者かの気配。ことばにならない“それ”に近づくために、タッチを繰り返す祈りにも似た行為は、版表現における反復性と感応しながら、新しい絵画の出現を予兆させる。
油絵学科教授 高浜利也