鷹觜絢香

Takanohashi Ayaka

Room

インスタレーション|壁紙、木製パネル、紙、エッチング
Installation art|Wallpaper, wood panel, paper, etching
H2450 × W8000mm

作者より

不確かなものとは、日常の出来事や過ぎていく時間が、記憶に変わっていく瞬間と捉えた。
4点の版表現は自身の記憶から構成されている。
日々の出来事。
眠りに落ちる瞬間。
夢で見た風景。
異なる時間軸の記憶だとしても、記憶はどこかでつながっている。
目には見えない記憶をイメージ、空間として再構成を試みた。

鷹觜絢香

担当教員より

不確かなかたち。日常の出来事が過ぎていく時間が、記憶に変わっていく瞬間。生きることの蓄積されていく記憶から再構成される夢のイメージ。と作者は云う。
卓越した豊潤な銅への腐蝕に加え、審美的な自己への美意識への憧れが生み出した、視覚的な交響曲の短調的楽章を夢想する銅版画。生きることの希望と孤独に潜む退廃の静かな美しさ、内省する魂の情景。私はこの作品に接して、これまで在った日々と箔霜の中で感じたことを想起した。この作品には創作者が持たねばならない美の本質。熾火が含まれていると思うのは、私だけなのか。もしくは私が年を取ったことか。

油絵学科教授 池田良二