パク エリ

PARK Aeri

1993年、トルチャンチ
1993 First birthday party

紙|エッチング、アクアチント、手彩色
Paper | Etching, aquatint, hand coloring
H360 × W510mm

アボジの肖像 I
Portrait of Abeoji I

紙、スクリーントーン|エッチング、レーザープリント、手彩色
Paper, screen-tone | Etching, laser printing, hand coloring
H250 × W325mm

木村商店からマルキまで
From Kimura Shouten to Maruki

紙、スクリーントーン|エッチング、手彩色
Paper, screen-tone | Etching, hand coloring
H605 × W1090mm

ハルモニの肖像 I
Portrait of Halmoni I

紙、スクリーントーン|エッチング、アクアチント
Paper, screen-tone | Etching, aquatint
H250 × W325mm

大阪小林莫大小裁縫工場
Osaka Kobayashi Meriyasu Sewing Factory

紙、スクリーントーン|エッチング、アクアチント
Paper, screen-tone | Etching, aquatint
H605 × W1090mm

ハルモニの肖像 II
Portrait of Halmoni II

紙、スクリーントーン|エッチング、アクアチント
Paper, screen-tone | Etching, aquatint
H250 × W325mm

ハルモニの故郷
Halmoni’s hometown

紙、段ボール、寒冷紗、スクリーントーン|エッチング、アクアチント
Paper, cardboard, cheesecloth, screen-tone | Etching, aquatint
H210 × W148mm

作者より

日本で生まれ韓国で育った在日韓国人3世である私のルーツはどこにあるのか。
戦争中、若くして韓国の済州島から日本に渡り、一昨年99歳で死去した在日朝鮮人1世のハルモニ(祖母)の人生を、残された昔の写真と家族の話から銅版画を制作することで辿っていこうとしました。制作の途中、時にはこのようなテーマから逃れたい時もありましたが、これからも大事にしながら、淡々と向かい合いながら生きていこうと思います。

パク エリ

担当教員より

作者自身のルーツを、祖母の記憶を追体験しながら辿っていく旅。現実と創造の狭間で物語を紡いでいく地道な作業によって掘り起こされた時間の澱がぎっしりと、画面に凝縮されている。時空を超えた強い意思を暗示するかのような、ハルモニの眼差しの奥底に吸い込まれそうになる。散りばめられた事物から発せられるメッセージは時として作者の想定を大きく越えたものとなるだろう。私小説が孕む危うさ、美しさをどう引き受けるのか。エッチングによるシャープな線、モノトーンの繊細な使いこなしなど、作者特有のヒリヒリするような造形感覚をもって今後、どう向き合っていくのか興味は尽きない。

油絵学科教授 高浜利也