宇野花音

UNO Kanon

まだ知らない町並み旅
madashiranaimachinamitabi

本|紙
H210 × W148mm(168ページ)

作者より

全国に点在する小京都と小江戸は、「京都に似た町並みがある」「江戸の風情を残す古い町並みがある」などの理由から、愛称として使われるようになった呼称である。この呼称は各地で観光促進に利用されているが、実際観光客増加に繋がったといえる地域は少ないのが現状だ。そこで小京都・小江戸と呼ばれる歴史的町並みを持つ地域を12箇所選んで訪れ、小京都・小江戸に対する「京都・江戸の模倣に過ぎない」「どこも似たような古い町並み」という誤解をとき、地域の独自性や本来の魅力を伝える旅行ガイドブックを制作した。

宇野花音

担当教員より

「小京都・小江戸」という呼称は日本古来の風情を持つ地域だと認識される一方で、本家の江戸や京都に劣るのでは?と誤解される現状を作者は危惧し、各地域の歴史的な文化に根ざした風情や魅力を独自の視点から紹介するガイドブックにまとめあげている。ブックデザインの試みとして、小京都と小江戸を色分けし、地図・タイトル・小口のツメなどに反映させることで可読性を上げる工夫をし、読者に小京都と小江戸の魅力を再発見する旅に誘うための編集による工夫も随所に見られ、読みどころの一つとなっている。

デザイン情報学科准教授 新保韻香