井上優衣

INOUE Yui

冬のリズム
Winter Rhythm

映像|60分21秒

作者より

学校から温泉が湧き出た事により夏休みが延長された葉子(はこ)。
何となく日々を過ごすなか、突然嫌な出来事がフラッシュバックしてしまう。公園のトイレに逃げ込むと「とにかく歩きなさい」という謎のお告げを受ける。短い冬の旅が始まる。

井上優衣

担当教員より

井上優衣の映画はつねに流動のなかにあり、観客はそこに、時間軸に沿って脈打つ強いリズム(長短さまざまな場面の切断と接合、モンタージュによって立ち上がるリズム)だけでなく、光の揺らぎやカメラワーク、画面構成を通して空間軸に刻まれるリズムをも感じ取る。そうして断片化された諸要素は、同時的に織り合わされながら、ひとつの凝集した全体へと結ばれていく。本作『冬のリズム』においては、フラッシュバックやどこかシュルレアリスティックな設定を用いたシナリオそのものが、実験の場となっている。この作品は複数の層が折り重なる複雑な構造を備え、鑑賞するたびに異なる経験をもたらす。

映像学科教授 クリストフ・シャルル