髙橋真穂

Takahashi Maho

Lines

シャープペンシルの芯、紙
Mechanical pencil lead, paper
H60 × W186 × D186mm ×12点

作者より

Linesはすべてシャープペンシルの芯で出来ている。物質として空間にあり、線という形状を常に保ちつつ、紙にこすれば平面として形を変える。平面と空間の両方に同一の素材の線が存在する不思議さがここにはある。この線は平面に存在するのか、空間に存在するのか、はたまた平面の中の空間か。あなたの目の前にある線は一体どの次元にあるのだろうか。

髙橋真穂

担当教員より

黒く細い線で立体的に描かれた幾何学図形やミルクパック、折り紙。一見、ピアノ線のような細い鋼線でつくられていると見まごう。実はシャープペンシルの芯なのだと気づき、はっとする。なんという繊細さ。長い線は芯同士を直線につなぎ、接合部は小口を微細に削ってシルエットをすっきりと。作品が置かれた白い平面には描かれた線もあり、どれが芯なのか判別し難い。触れただけで壊れてしまいそうなあえかな「かたち」が出現した。

基礎デザイン学科教授 板東孝明