小林克彰

作者より

複数枚の布を縫い合わせた平面的なポスターから、縫い目の外側で切り出し、折りたたむやひっくり返すなど立体的に変化を加えることで服へと生まれ変わる。
この作品は「メタモルフォーゼ」の変化を用いることで、服というものを一度解体し、服の成り立ちを再構成するという試みであり、服を内包したポスター、そしてポスターの痕跡を持つ服、この両者の間に広がる「変化の過程」のデザインである。

小林克彰

担当教員より

ポスターから洋服へと変化する過程をデザインの対象とした本作は、これまでの洋服や平面作品の枠を超えた取り組みである。平面の布が身体に纏われるためのカタチを持つプロセスの中に、服としての魅力を内包させる着想が秀逸で、また変化の前と後の見え方についても高い完成度で表現されている。カタチのバリエーションが豊かであり、優れた造形力と構成力を感じさせる。本作品は、2020年度基礎デザイン学科の優秀賞として選出された。

基礎デザイン学科教授　柴田文江