高木里音

TAKAGI Rion

TOKYO ELEVATION

インスタレーション|RGBLEDパネル、木材、鉄パイプ、ほか
サイズ可変[映像|10分00秒を含む]

作者より

全てが地面の上に立っている。
しかし、地面は掘らなければ理解することができない。

かけられている3本のLEDディスプレイはそれぞれ左から渋谷、永田町(日本水準原点)、錦糸町の地盤を表している。また時速3.6kmで進んでいく。
3つの地点にはそれぞれに異なる性質を持つ。全ての地点に共通していることは地面の上に立っているということだ。
東京の中心部を擬似的にも切断し見比べてより理解を深めようと思い制作した。

高木里音

担当教員より

高木は映像を発見した。その映像とは「地質」と「地層」だった。
3年次より都市に関心を抱いた高木は、当初は都市の外殻に注目しリサーチと制作を続けた。しかし、その関心は反転する。都市を成立させる地面とその内殻、つまり「地質」と「地層」に関心が移った。
「地質」にはある時間を映す「シーン」があり、「地層」にはそれらを連ねる「シーケンス」がある。高木は自身が立つその足元に、長大な時間軸を含有する「映像」を見出した。
他方、ボーリング柱状図という抽象的な記号に、具体的な速度と身体性を与えた映像化への手捌き、また光源と図像を同時に成立させるLEDというメディウムの選択によって新たな映像表現の可能性を示した。

映像学科専任講師 山崎連基