滝沢侑花

TAKIZAWA Yuka

左利き技あり展
―日常生活における左利きの工夫―

Mission1 定規で長さを測る
Mission2 服をハンガーに掛ける
Mission3 マーカーで線を引く
Mission4 扉から物を取る
Final Mission キッチンを使いこなす

Hidden Talented : Left-Handers exhibition
——left-handed ingenuity in everyday life

Mission1 Measure length with a ruler
Mission2 Hang a cloth on a hanger
Mission3 Draw a line with a marker
Mission4 Take things from a door
Final Mission Master a kitchen

プレゼンテーション|アクリル、MDF、スチレンボード、紙、カッティングシート、タブレット、スタイラスペン、コンピュータプログラム
H900 × W600 × D600mm、H1510 × W350 × D350mm、H900 × W600 × D600mm、H900~1200 × W30 × D120mm、H900~1200 × W30 × D120mm

作者より

「左利き」と聞いてまず思い浮かぶことの一つに「不便」という負の要素がある。しかし、左利きの人が普段当たり前のように行う「不便なものに対して無意識に工夫し、順応する」という営みは、実は一種のスゴ技ではないかと私は思う。本展示では左利きの工夫を追体験できる仕掛けを用意することで、鑑賞者にその凄さを体感してもらい、ポジティブに捉え直すきっかけを提供する。また、利き手という観点からみたユーザビリティについての気付きを添える。

滝沢侑花

担当教員より

「世の中、マイノリティには生きにくいよね」というのは残念ながら今でも事実であるが、滝沢の作品は、その不公正を訴えかけるのではなく、改善する方法を提案するのでもなく、その生きにくい環境の中で、マイノリティが行っている工夫を科学館風に展示したものである。科学館風に展示されることによって、マイノリティの「ちょっとした工夫」は、人類の叡智の重要な一部となり、また、マジョリティにとっては、同じ空間なのに自分たちが知ることのなかったもう一つの世界(異世界)への入り口に立つことができるようになっている。

クリエイティブイノベーション学科教授 荒川歩