福原稔也

FUKUHARA Naruya

Botanical Bomb

プレゼンテーション|樹脂、アクリル、紙
パネル:W910 × H1820mm、W910 × H1300mm、W910 × H1300mm
模型:W300 × H160 × D160mm
映像:4分38秒

作者より

社会構造は所有権の私有性をどの程度認めるかによって決定づけられます。私的所有を認めるのであれば資本主義社会であるし、特に生産手段における私有性を認めないなら共産主義社会になります。「所有」は社会構造を決める重要概念ではありますが、普段考える機会はないと思います。Botanical Bombは新たな所有観を発掘するための装置であり、ともすれば現代社会を大きく揺るがしてしまう爆弾にもなりうるのです。

福原稔也

担当教員より

「“所有観”を揺るがす社会的爆弾」という言葉が本作品の本質を示している。高齢化や家族形態の変化に伴い急増している所有者不明土地という問題、それに対する土地の時効取得を意図する植物爆弾という起こりうる未来の提示、そしてその未来像を前にして沸き起こる議論。本作品は、こうした社会問題とフィクション、現在と未来、問題解決と問題提起といった複層の次元を行き来し、人々の意識に揺さぶりをかける。問題解決から問題提起へというデザインの拡張を体現する作品である。

クリエイティブイノベーション学科教授 岩嵜博論