白川嘉教

Shirakawa Yoshinori


kakoi

木材
Wood
H7000 × W8000 × D7500mm

作者より

部屋を構成するための壁、床、天井から解放された空間づくりを目指した。
900mm立方の箱を積み上げ、組むことによって垂木という素材の強さではなく構造で全体を支えている。
作品には登りながら入る事ができ、中心に抜けた空間があるので登った人はその場所にとどまり、浮遊感を楽しむことが出来る。

白川嘉教

担当教員より

白いタイルとコンクリートの空虚な空間に、巨大な躯体が現れた。圧倒的なボリュームのあるこの躯体の中に侵入すると、部分的に骨格を抜いた余白の空間が現れ心地良い。この余白空間を含め躯体内部がラビリンスとなり、独自の感覚を得る。そして、この吹き抜け空間で、3、4階の人たちと空との絶妙な関係もつくった。この作品が単なる彫刻ではなく、躯体の内外に繊細な人の居場所を構成し、この場に対して「環境」を形成したのはあきらかである。

空間演出デザイン学科教授 小泉誠