安倍弘晃

Abe Hiroaki

日本独特の空間性を探る
Exploring the unique spatial nature of Japan

スチレンペーパー、木材、寒水石
Styrene paper, wood, Kansuiseki
H2300 × W2300 × D2300mm

作者より

私達は日々、多様な空間の中で生きている。

日本らしい空間とはどのような空間であるのか。

建築、インテリア、茶室や近接距離学といった諸領域から日本独特の空間性を探り、作品表現に落とし込んだ。

日本独特の空間性とは内部と外部の連続的な関係性であると考えた。

スチレンペーパーという「弱い素材」が生み出す、光のグラデーションは空間の内部と外部を緩やかに繋ぎ、連続性のある空間を生み出した。

安倍弘晃

担当教員より

伝統的日本家屋には様々な外光が満ちている。障子という紙の建具を透過した柔らかい光。開け放たれた縁側から入った光は畳で反射し、壁、天井を照らし出す。安倍君は、日本建築が伝統的に持つ光と流れる空気が創る空間性を研究し、先達の作品に触発されながら、現代的な素材を用いて意匠と構造の両面から独自の壁面表現にひとつの美しい解答を提示した。具体的な研究の上に見せた伝統の新たな継承のスタイルとして評価したい。

芸術文化学科教授 楫義明