渡邉和

Watanabe Yamato

雪のある駅
Station with the snow

紙、ほか
Paper, other
H600 × W2700 × D1500mm

作者より

冬季のみ利用されるテンポラリーな駅に、パーマネントの、公民館、図書館、温泉施設等を加えたコンプレックスの提案である。

計画地である新潟県湯沢町は、厳しい冬を迎える。まちの雰囲気、生活、建築を圧倒的な抽象で書き換える雪に対して建築は、「変わらない日常」を担保する事に従事していた。

大きな吹き溜まりを作った。この建築は冬、そこに抱えた膨大な雪によって暗喩的に決定づけられる。春になり、溶け出した雪は建築に流れ込む。雪が担保していた駅機能は消失し、機能を失った、空間だけがそこに残る。

これは様相の建築である。

渡邉和

担当教員より

「雪のある駅」は、上越新幹線の越後湯沢駅で分岐するスキーシーズンのみの臨時駅に、コミュニティーセンターを併設した複合施設の提案である。冬だけの駅に、あえて通年機能する施設を併設することで、3m以上の雪によって変容する建築は、冬に向けて徐々に姿を消し、春に近づくとともに建物は現れて駅機能が消失することを認識する。卒業制作のテーマから研究、計画、設計、プレゼンテーションへと丁寧にまとめられた作品である。

建築学科教授 布施茂