落合あや

Ochiai Aya

白露
dew

雲肌麻紙、岩絵具、胡粉、墨
Kumohada mashi hemp paper, mineral pigments, chalk, ink
H1600 × W3200mm

作者より

13年間いた町から引越す日の早朝、散歩に出ました。その時に見たヒマラヤ杉の姿、感じた空気を描きました。もう会えない景色を寂しくおもい、また、愛しくもおもいます。

落合あや

担当教員より

清く澄んだ空気のような、光のような絵である。
作者は2年ほど前のある早朝、このヒマラヤ杉の大樹の葉先のそれぞれに、可憐な白露が宿っている光景に出会ったという。この体験をいつしか絵にと想いつつ、長い時を要したのであろう。その稠密な仕事が心地よく我々の気持ちに沁みてくる。
風や光、水滴や心に触れる自然への感動が時を経て、作者の印象をやっと描けるように向上した描写力を身につけた喜びに満ち、若き画家らしい純な想いが溢れて、我々にその喜びが伝わってくる佳作となった。

日本画学科教授 西田俊英