百目鬼多恵

Doumeki Tae

Applied Apples

樹脂、粘土、油絵具、ほか
Resin, clay, oil paint, oher
サイズ可変 ×10点

作者より

リンゴのかたち(形態/色/テクスチャー)が適用された果実や野菜を造形することで、見慣れたリンゴを未知化し、新しい眼差しを生み出すことを試みた。制作したのは、トウモロコシのように小さな粒が大量に連なったリンゴや、柑橘類のように瑞々しい果肉を持つリンゴや、豆もやしを模したリンゴなどの10種だ。味覚の予測と視覚のズレを感じながら、もしかする世界のリンゴたちの味を想像してもらえたらと思う。

百目鬼多恵

担当教員より

りんごの果実のかたちを他の果実に適用してみるユニークな研究である。植物の常識を乗り越えて、「ぶどう」「とうもろこし」「大根」「みかん」「スイカ」そして「もやし」などなど、様々な野菜や果物にリンゴの特徴をアプライさせている。一見ナンセンスに見えるアプローチだが造形の緻密さによって幻想的なイメージが生み出された。これは人間の記憶に潜むイマジネーションの生成原理を探り当てていくデザインアプローチではないかと考えられる。

基礎デザイン学科教授 原研哉