徳竹玲音

TOKUTAKE Reon

Poderosa

鉄、青銅
H2950 × W4050 × D1330mm

作者より

作品によって、作者である自分自身の陶冶を目指したもの
馬像ではなく、騎馬像として

徳竹玲音

担当教員より

粘土のモデルを分割して石膏で型取りした鋳型の内側に、細かい鉄板のチップを敷き詰め、溶接により成形した複数のパーツを組み立て、この作品は作られている。馬像は前足の蹄を上げて立ち上がり、荒々しく嘶いているが、後足の下腿から先を欠く。未完成であるとしても、作者は自らが見たいと願う“強さ”の模像をこの作品に実現している。たとえ切断し横倒しても、作者にこれを作らせた衝動の強度が損なわれることはない。個的なパトスの量こそが、他者に何かを呼びかけるもの、すなわち彫刻の記念碑性と言われるものの起源である。

彫刻学科教授 黒川弘毅