長塚優菜

NAGATSUKA Yuna

ぬくまり ひえて、考える

岩絵具、水干絵具、銀箔、和紙
H2050 × W2650mm

作者より

命の誕生の喜びや死の重さ、共に生きてゆくことのすばらしさや険しさを自身の経験から、あの頃のことを忘れたくないという想いで描いています。

長塚優菜

担当教員より

柔らかな自然光が広がるアトリエに佇むその絵画は、一見ぼんやりとした印象を受けるが、見る者を穏やかな気持ちにさせ、その眼差しは画面の中をゆっくりと移動させながら、とても温かい印象を抱かせる。母子と家族が取り囲む光景は、作者と家族の絆の記憶であろうか。この絵画が放つ柔らかな緊張感は、作者が丁寧に画面に差し描く筆先が和紙の風合いを引き出し、余白と融合させることに成功している。長塚の描く作品は、絵画の強度を感じさせる秀作であり、そこには強いモチベーションに支えられた繊細なイメージの世界がある。

日本画学科教授 間島秀徳