八田⭐︎太郎(八田真穂)

hattahositaro(HATTA Maho)

負け犬
makeinu

高知麻紙、墨、色鉛筆、クレヨン、クレパス
H2273 × W1818mm

何者
nanimono

鳥の子紙、アクリルガッシュ、クレパス、墨、水干絵の具
H1800 × W4500mm

作者より

この作品は私の経験を元に制作されました。「負け犬」は、就活の失敗から生まれた作品です。人面犬にすることで見た人が笑ってくれたらあの頃のみじめな私が肯定されるかなと思い描きました。「何者」は、ある日の辛い出来事を組み合わせて制作しました。私はバイトの締め作業が苦手です。その日は自分自身のできなさに自己嫌悪が起こり電車の中で泣きました。その時、向かいに座る中年女性の足が臭かったことが記憶に残りました。家に帰り今日1日がカオスだったなと思い、組み合わせることで画面を作りました。

八田⭐︎太郎(八田真穂)

担当教員より

八田はこれまでも日常生活のなかで体験したことから自分の作品制作を行ってきた。多くの学生も、そして私自身も個人的に日常生活のなかで見たものなどから発想して制作をしている。
ただ彼女の場合、見た光景をそのまま描くのではなく、体験した事柄とそのとき感じたネガティブな感情を重ね独自の絵画表現として現してきた。
卒業制作では「できない自分を組み合わせる。」ということで自分自身を笑うような自虐ネタの効用を感じさせる作品となった。
このような自虐ネタは他者を傷つけず場を和ませるが、うちわ受けに止まり易いという面を持っているように思う。
また絵画で表現するには難しさを感じる場合が多いが、描写力と色彩を抑えた表現が冷ややかな空間表現と相まってシニカルな笑いを生み出してくれる。

日本画学科教授 尾長良範