綻び紡ぎ、時を思うインスタレーション|布、タッカー針、てぐすInstallation art|Cloth, staple, silk gutH4600 × W6000 × D5000mm
布が織られた時間。私が布を解く時間。新たに私が解かれた糸を空間に紡ぐ時間がある。横糸を抜くと模様が溶け、布の時間がゼロに戻る。その糸を空間に再構成し時間の視覚化を表す。自分の手で解き紡ぐことで、布に内在する時間に関わり、私自身がその布の中に入っていくことを感じた。それを空間に立ち上げることは、私にとってそのものの時間を思うことであり、そこには私自身と布との関わり合いの時間が流れている。時間と模様の再構成。その時を思い、時間の中に入り込んでもらえたら。 鈴木美緒
建築学科にあって土屋スタジオに学ぶ学生たちは常に等身大(一分の一)の表現と向き合ってきた。それは縮尺の世界では得られない、身体や空間、素材や重力といった実存から逃げることなく創造力を養うことであり、まさにそこにこそ建築の原点があるからである。鈴木美緒の作品はその造形性もさることながら、彼女の空間に立ち入った瞬間に彼女独自の時空間に飲み込まれてしまう感覚におそわれる。ゴブランという古代西アジアに歴史を持つ織布を用い、かつてその布が織られた時間、そして彼女がその布を解く時間、悠久からの幾重にも交差する時間が彼女のインスタレーションは内包しているのである。 建築学科客員教授 土屋公雄
作者より
布が織られた時間。私が布を解く時間。新たに私が解かれた糸を空間に紡ぐ時間がある。横糸を抜くと模様が溶け、布の時間がゼロに戻る。その糸を空間に再構成し時間の視覚化を表す。自分の手で解き紡ぐことで、布に内在する時間に関わり、私自身がその布の中に入っていくことを感じた。それを空間に立ち上げることは、私にとってそのものの時間を思うことであり、そこには私自身と布との関わり合いの時間が流れている。時間と模様の再構成。その時を思い、時間の中に入り込んでもらえたら。
鈴木美緒
担当教員より
建築学科にあって土屋スタジオに学ぶ学生たちは常に等身大(一分の一)の表現と向き合ってきた。それは縮尺の世界では得られない、身体や空間、素材や重力といった実存から逃げることなく創造力を養うことであり、まさにそこにこそ建築の原点があるからである。鈴木美緒の作品はその造形性もさることながら、彼女の空間に立ち入った瞬間に彼女独自の時空間に飲み込まれてしまう感覚におそわれる。ゴブランという古代西アジアに歴史を持つ織布を用い、かつてその布が織られた時間、そして彼女がその布を解く時間、悠久からの幾重にも交差する時間が彼女のインスタレーションは内包しているのである。
建築学科客員教授 土屋公雄