吉澤大起

Yoshizawa Taiki

識る
perceive

インスタレーション|ポリエステル糸、木材
Installation art|Polyester yarn, wood
H10100 × W9060 × D9400mm

作者より

多様な視点をもつことで新たな解釈を得られると思った。
あそこからみるそれと、そこからみるあれが異なるように。
8号館の吹き抜けは各階各面に開口が設けられ360度に近い視点を擁する。そこに糸を用いて境界が曖昧な空間を立ち上げた。見る場所や角度により多くの表情を窺わせ、日差しやその影、空模様と重なり変容していく。それらの要素を含めた多様な視点からのアプローチを促すことを目的とした。

吉澤大起

担当教員より

吉澤大起が表現した世界は、建築学科の卒業制作作品の中にあって最も「場」と呼応する作品である。表現自身は空間インスタレーションというカタチはとるものの、彼がこれまで建築を学んできたことの実技的エッセンスや建築的思考・文脈が十二分に感じられる、実に知的で創造的な作品である。それは図面や模型の縮尺の世界、或いはバーチャルの世界では伝えることのできない、その空間を体験したものでしか味わえない、多義的解釈と多様な視点を内在した最上級の作品であった。

建築学科客員教授 土屋公雄