竹内美澄

Takeuchi Misumi


barrier

セラミック、釉薬、紐づくり
Ceramic, glaze, forming with coils
H1100 × W1300 × D800mm

作者より

内と外、表と裏のようなもの同士の関係は、互いを支えあい、時に壊しあって存在している。
土を積み重ねていく行為により、時間や空間も形を現してくるように感じる。

竹内美澄

担当教員より

内臓のかたまりとも、珊瑚の山とも、中国の山水とも見える、得体のしれない陶の山が築かれている。縄文土器にも用いられた技法、紐作りによって地面から立ち上げられたこの形体は、その技法(焼成時に割れないため、紐状粘土で一定の厚みを保ち、積み上げ形成する。)と作者のイメージが、手と粘土を結びつけ、戯れ、さまよいながらうねりとなって上昇している。粘土の壁は、一方から押すと他方は膨らみ、他方に凹みを作ればこちらは凸起する。表と裏、内と外との関係は、連動して作用し、膨らみ、へこみ、穴を形成する。この形体の襞は、さらに増殖し複雑化しながら空洞をはらみ、この目に見える世界が、もう一方の見えない世界の力によって形成されていることを、証明しているようにも思える。

彫刻学科教授 戸谷成雄