中莖あかり

Nakakuki Akari

01

粘土、アクリル
Clay, acrylic paint
H1270 × W430 × D530mm

02

粘土、アクリル
Clay, acrylic paint
H800 × W600 × D630mm

03

粘土、アクリル
Clay, acrylic paint
H450 × W1700 × D400mm

作者より

美しいと感じるものをつくった。

ヒトは人体作品を観るとまず性別、人種、大人であるか子供であるかなどの情報を得ようとする。
とりわけ性別においては判別できないと違和感を感じるヒトもいるようだ。

しかし、私は作品の中に表さない。
私にとって美しさを感じる上でとても邪魔なものだから。

中莖あかり

担当教員より

三体の人間像である。信楽粘土によるテラコッタの、マットな薄い肌色が、人体のもつ、淡い肌色のイメージにだぶらせ、程よい透明感を感じさせる。間合いが充分に保たれた配置が、個々の像の存在感を引き立てている。そして、この独特な雰囲気は何処から来るのだろうか? その顔立ちはボッテチェルリやラファエロの描く人物のようでもあり、ある一方で現代のアニメーションに登場する人物も想起させる。そして、その身体は、性差を感じさせる部位はつくられていない。それ故に美男のようにも見え、美女のようにも見える。中莖の美意識は中世と現代、男性と女性、物質と肉体、現実と非現実との間を行来きし、自然光の美しい空間に三体の人間像として定着させている。それは、人の姿をした何者かの化身がここに居る場面なのである。

彫刻学科教授 三沢厚彦