戸川木蘭

Togawa Mokuran

芽吹く
mebuku


Silver
H240 × W260 × D200mm、H270 × W200 × D150mm、H300 × W190 × D160mm、H300 × W370 × D90mm

作者より

伸びやかに咲いていく生命の強さと、あっけなく枯れてしまう儚さの対比が、植物の持つ美しさだと感じている。
その対比が最も大きく現れるのが、線(ライン)の変化だ。
みずみずしい花のラインと枯れている花のライン。相対する要素を一つの形に組み合わせることで、新たな生命を芽吹かせたい。

戸川木蘭

担当教員より

戸川の造形は彼女の得意とする線描画に由来する。繊細な線が織りなす有機的かつ複雑な表現媒体を通し醸し出される独特な画風と世界観、それをこの一年間ペンの代わりに金属の細い線材を用いて立体造形表現に発展・展開させてきた。卒業制作においては彼女のモチーフに対する深い観察眼と修練によって得た繊細な線材加工技術が見事に合致したところに、シルバーの持つ品の良さが加わり突き抜けた表現に達した。あえてオリジナルの線描画を平行展示しなかったところに彼女の自信のほどが伺える。

工芸工業デザイン学科教授 鈴木洋