大川原暢人

Okawahara Nobuto

無題
undoing antennas

インスタレーション|ミクストメディア|木、プラダン、指サック、有孔ボード、結束バンド、ボウル、ほか
Installation art|Mixed media|Wood,corrugated plastic, fingerstall, perforated plate, cable tie, bowl, other
H3000 × W10000 × D7000mm

作者より

ビート板の上に立つ、バランスを崩すまで身体の方向を知ることはできない。
制作の中にビート板の上に立つ行為に似た欲求があったと思う。

大川原暢人

担当教員より

デッキに前足を乗せる、軸足で力強くプッシュする。ボードが勢いよく前へ押し出され、それとほぼ同時に大河原の身体もデッキ上でバランスをとりながら、ボードと一体化する。左足をボードの前側に位置し、フロントサイドを意識すると、背後に壁がくるのが自然な設えになるのだろう。この事柄から大河原はノーマルスタンスであることが理解できる。基本はマスターした、オーリーやマニュアルはお手のものだ。
大河原の作品はグラインドする際の身体とデッキ、そして、その接点が重要視されている。幾重にも構成されたパーツに接する部分にこそ独自性が与えられ、的確に選定された素材が重力を支える。それは奇しくも危うさというより、安定した印象を与えている。
「恐れるな!もう一歩踏み出せ!」と自身に言い聞かせる。より高度な次元に挑むのだ。そして、次に会う時には難度の高いトリックを見せてくれることを期待している。

彫刻学科教授 三沢厚彦