岡野紗咲

Okano Saemi

共鳴 ~ groove ~
Kyomei

インスタレーション|プロジェクター、スピーカー、ほか
Installation art | Projector, speaker, other | 4min 30sec(Video)
H3000 × W9000 × D6000mm 4分30秒(映像)

作者より

自然の動きに心地よさを感じるのは、我々が持つ身体感覚に近いからではないか。現象をカメラで捉え、高揚感を再構築した。

岡野紗咲

担当教員より

通常、複数のスクリーンで映像を提示する目的は、マルチ・スクリーンのように、全体を大きく見せることや、同時に多数の情報を表すことにある。しかし、岡野紗咲が21面のスクリーンで実現したいことは、映像のgroove現象だけにある。音楽においてgrooveとは、ブルースやジャズの生演奏時に、一定のリズムの頭を少しずらしたり、アクセントの位置を変えることによって、生命現象と同質のうねりや波立ちが立ち現れる現象を指している。映像においては、その動きや速度を操作することによって、スクリーンとスクリーンの間(grooveには溝という意味もある)に接する縁へりにこの現象が現れる。このようなスクリーンの使用方法は、新しいとか古いとかに括られるものではなく、そこで名演奏が繰り広げられているかに関わっている。
つまり、grooveの質が問われているのだ。grooveを目標にした、この作品の波動の中で、うねりを体験してほしい。

映像学科教授 板屋緑