沈黙と分断silence and divideドキュメンタリーDocumentary movie | 56min 29sec56分29秒
原子力発電所が、事故によって再建不能になった事例が世界で二例あります。チェルノブイリ原子力発電所事故と、福島第一原子力発電所事故です。事故から32年目のチェルノブイリと、8年目の福島。ソ連初の社会団体が、成立を推し進めた「チェルノブイリ法」は、どのように被災者の権利を保障してきたのか。2年間の取材をまとめました。 小池美稀
このドキュメンタリーの特長は、チェルノブイリ原発事故を経験した今のウクライナと福島第一原発事故から8年経った現在の日本に対する、小池美稀の平等な視線にある。そこから生じる一定の距離感は、全体を分かりやすくしているだけでなく、すべての細部を浮かび上がらせている。そこから見えてくるのは、民間人が整備したチェルノブイリ法のような法律や、ウクライナの教育機関における放射能や食事等の統一された教育指針の欠如であるが、それらの根底に、私達の沈黙と分断の問題があることを、ドキュメンタリーとしてはバランスを欠くぐらい長く続く国道6号線等のシークエンスによって突きつけてくる。 映像学科教授 板屋緑
作者より
原子力発電所が、事故によって再建不能になった事例が世界で二例あります。チェルノブイリ原子力発電所事故と、福島第一原子力発電所事故です。事故から32年目のチェルノブイリと、8年目の福島。ソ連初の社会団体が、成立を推し進めた「チェルノブイリ法」は、どのように被災者の権利を保障してきたのか。2年間の取材をまとめました。
小池美稀
担当教員より
このドキュメンタリーの特長は、チェルノブイリ原発事故を経験した今のウクライナと福島第一原発事故から8年経った現在の日本に対する、小池美稀の平等な視線にある。そこから生じる一定の距離感は、全体を分かりやすくしているだけでなく、すべての細部を浮かび上がらせている。そこから見えてくるのは、民間人が整備したチェルノブイリ法のような法律や、ウクライナの教育機関における放射能や食事等の統一された教育指針の欠如であるが、それらの根底に、私達の沈黙と分断の問題があることを、ドキュメンタリーとしてはバランスを欠くぐらい長く続く国道6号線等のシークエンスによって突きつけてくる。
映像学科教授 板屋緑