或る から 在る へonece to existブロンズ、蜜蝋|鋳造Bronze, beeswax | CastingH2950 × W7500 × D750mm
彫刻とは何か―私の手で形作ったもの(造形物、または原型)が鋳造のプロセスを経てブロンズの鋳物へと生まれ変わる。一度手から離れてしまったものが彫刻としてそこに出現する。今まで漠然と感じていた或る力(宇宙、地球、自然、重量)を再認識し、私の鋳造の感覚を持ってそれは彫刻になる。彫刻がそこに存在する。 高木謙造
いずれもモデルをワックスで作成し、大きな方は中空で鋳込まれているが、もう一つはどっしりしたムクで、両ブロンズの対比はおもしろい。 それぞれの作品は、作者に知識を要求するだろう。それは、異なる鋳造技法の技術的成果に関するものではない。真理が作者の特殊な欲望に由来するがゆえに、この知識の確実さは、魂が物質と結びつく個的な力に基づく。作品に寄り添う作者の気分が必ず忘却されるとしても、その擬態の再生として、一つ一つの作品ごとに、作者は自分の作品を知るべく特権的な拘束を課せられるだろう。 彫刻学科教授 黒川弘毅
作者より
彫刻とは何か―私の手で形作ったもの(造形物、または原型)が鋳造のプロセスを経てブロンズの鋳物へと生まれ変わる。一度手から離れてしまったものが彫刻としてそこに出現する。今まで漠然と感じていた或る力(宇宙、地球、自然、重量)を再認識し、私の鋳造の感覚を持ってそれは彫刻になる。彫刻がそこに存在する。
高木謙造
担当教員より
いずれもモデルをワックスで作成し、大きな方は中空で鋳込まれているが、もう一つはどっしりしたムクで、両ブロンズの対比はおもしろい。
それぞれの作品は、作者に知識を要求するだろう。それは、異なる鋳造技法の技術的成果に関するものではない。真理が作者の特殊な欲望に由来するがゆえに、この知識の確実さは、魂が物質と結びつく個的な力に基づく。作品に寄り添う作者の気分が必ず忘却されるとしても、その擬態の再生として、一つ一つの作品ごとに、作者は自分の作品を知るべく特権的な拘束を課せられるだろう。
彫刻学科教授 黒川弘毅