大嶋笙平

Oshima Shohei

弔いのシークエンス
sequence of funeral

MDF、ほか
MDF, other
H2400 × W1200 × D400mm

作者より

麻布台地の東側、仙台坂に面して駐車場で埋め尽くされた一角がある。ここを見つけるところから卒業制作が始まった。
GL上から建築が消失したこととスリバチ状の地形によって、そこには都市の只中にありながらも静かに大きな空が広がっていた。
麻布の歴史的・地理的文脈によって担保されてきたある種の「静謐さ」と広い空を湛えた敷地、その空間の質を担保しつつ如何に持続させるか。
ここに都市のオープンスペースとしての墓地を提案する。

大嶋笙平

担当教員より

超高齢社会の現在において都心部の墓地不足という問題に対する都市のオープンスペースとなる墓地の提案である。麻布台地に位置する善福寺に隣接するスリバチ状のエリアを敷地とし、20万体の遺骨を受け入れる空間を計画している。図面と模型の丹念なスタディによって、多様なシーンと空間の繋がりを見事に建築とランドスケープに統合している。地形に呼応するシークエンスを、圧倒的な図面、スケッチ、模型で表現した空間に真摯に向かいあった力作である。

建築学科教授 布施茂