夏日春風RIVER OF YOUTH実写ドラマLive-action film | 61min 42sec61分42秒
舞台は夏休み直前の中国の地方都市。古いビデオカメラに夢中な主人公(16)、その母(40)と兄(20)は慎ましい三人暮らし。父は10年以上前に家を出て、連絡は途絶えた。 母はろくに勉強をしない主人公に愛想をつかし、兄にのみ愛情を注いでいる。その愛情とは、兄をアメリカの名門大学に留学させること。母は毎日往復2時間かけて遠方の塾まで兄を車で送り迎えする。主人公はそんな母と兄を尻目に、バスでバイト先の養鶏場へと通う。学校にはあまり行っておらず、唯一の女友達(17)がたまにノートを見せてくれることで、どうにか社会との繋がりを実感している。そんな中、消息不明だった父が突然家に戻ってくる。 韓承宇
ロケ地河南省新郷市は監督の故郷。思春期の少年の身辺ドラマと、古いビデオカメラのレンズ・撮像板を通した本人目線のザラつく街の雑景が交錯する。巨大国家中国に最も近いはずの台湾はアメリ力やアンゴラより遠く、家庭や女友達との距離も不確か。繰り返される食卓シーンが複雑で脆い家族関係を露呈し、幸福な時間はあまりに儚い。台湾ニューシネマを紡彿とさせ、乾いた都市を縦横に巡りながらも、閉塞する切ない青春の寓話として秀逸。 映像学科教授 小口詩子
作者より
舞台は夏休み直前の中国の地方都市。古いビデオカメラに夢中な主人公(16)、その母(40)と兄(20)は慎ましい三人暮らし。父は10年以上前に家を出て、連絡は途絶えた。
母はろくに勉強をしない主人公に愛想をつかし、兄にのみ愛情を注いでいる。その愛情とは、兄をアメリカの名門大学に留学させること。母は毎日往復2時間かけて遠方の塾まで兄を車で送り迎えする。主人公はそんな母と兄を尻目に、バスでバイト先の養鶏場へと通う。学校にはあまり行っておらず、唯一の女友達(17)がたまにノートを見せてくれることで、どうにか社会との繋がりを実感している。そんな中、消息不明だった父が突然家に戻ってくる。
韓承宇
担当教員より
ロケ地河南省新郷市は監督の故郷。思春期の少年の身辺ドラマと、古いビデオカメラのレンズ・撮像板を通した本人目線のザラつく街の雑景が交錯する。巨大国家中国に最も近いはずの台湾はアメリ力やアンゴラより遠く、家庭や女友達との距離も不確か。繰り返される食卓シーンが複雑で脆い家族関係を露呈し、幸福な時間はあまりに儚い。台湾ニューシネマを紡彿とさせ、乾いた都市を縦横に巡りながらも、閉塞する切ない青春の寓話として秀逸。
映像学科教授 小口詩子