藤原夏朗

Fujiwara Natsuro

共振
resonance

インスタレーション|プロジェクター、スピーカー、ほか
Installation art | Projector, speaker, other
可変(スクリーン H2500 × W2500mm、投影装置 H1800 × W400 × D1400mm)

作者より

このインスタレーションは2つの試みを持っている。1つはモアレ現象を映像で的確に捉えること。もう1つは撮影することによって映像にし、その映像をもう一度もの化させること。何度も撮影ともの化を繰り返していくことで『共振』することを思い描いた。

藤原夏朗

担当教員より

モアレ現象を扱うことは、造形作品だけではなく、家具や照明、建築、など広い範囲でみられる。映像においても、物質によるモアレ現象をカメラで捉えたカットや、CGによって造り出した作品は数多く存在している。藤原夏朗のモアレ現象の提示における特長は、一旦映像化したモアレ現象を、黒く塗装した合板の上に、メディウムの点描を加えたものをスクリーン(支持体)として、そこにプロジェクションすることによって、もうひとつの現象は引き起こさせている点にある。物質から映像、そしてまた物質に戻しているのだ。物質(パンチング・メタル)によるモアレ現象を撮影し、その映像にまた物質を重ね、この作業を繰り返す過程で、映像に変形などの操作を与えることによって、モアレ現象だけでなく、オプティカル・アートの歴史を同時に垣間見せている。また、映像編集において造り出した間や沈黙は、音楽のブレークと干渉して全体としては、うねるように共振している。

映像学科教授 板屋緑