宮嵜唯香

Miyazaki Yunika

諸行無常
All things pass away

インスタレーション|プロジェクター、ブラウン管テレビ、ミラーシート、ビデオカメラ、網、ジェッソ、ほか
Installation art | Projector, CRT television, mirror sheet, camera, net, gesso, other
可変

作者より

「諸行無常」という言葉が古くからあるように、ありとあらゆるものは留まることなく常に移り変わっている、動き続けている。
そして、それを認識するきっかけは人によって様々だ。

宮嵜唯香

担当教員より

物事をどう感じ、見ているか。他者は何を思い、考え、そして感じているのだろうか。そして私は。その不可解さは計り知れない。

宮嵜はインド人の父親を持つ「ハーフ」であり日本に国籍がある。父親はヒンドゥー教徒であるが日本の習慣に親しみ、牛肉は好物であるらしい。彼女は幼少の頃から「ハーフ」である事を常に他者や社会から位置づけられてきたのだという。美術に出会う以前に「自分は何者であるのか?」という問いが常にあったのだろう。

プロジェクションするという行為は宮嵜とって必然的な手法であろう。投映する方もされる側もそれぞれを「半分」もしくは「分子」と捉えているからだ。それらは混じり合い、ある時はパラレルに進行し、ノイズやズレも取り込んでいく。宮嵜は混じり合う事で確かなアイデンティティとキャパシティを獲得し、「情報」と「表現」の二者をメタ化する事に成功したと言えるだろう。

彫刻学科教授 三沢厚彦