近藤直輝

KONDO Naoki

ノコギリと矩形
Saw and Rectangle

プレゼンテーション|スタイロフォーム、MDF、カラースプレー、ヒノキ紙、アクリル、ほか
Presentation | Styrofoam, MDF, color spray, cypress paper, acrylic, other
模型|H600 × W2900 × D910mm、H150 × W840 × D550mm、H150 × W550 × D550mm
パネル|H1260 × W450mm ×7点、H297 × W420mm ×6点、H370 × W450mm ×6点、H505 × W450mm ×5点、H1030 × W450mm、H505 × W910mm、H505 × W1160mm、H2540 × W700mm、H1030 × W700mm

作者より

ノコギリの形をした立面と多くの線材から構成される屋根架構を持つノコギリ屋根。愛知県一宮市はかつて繊維業が発達し、その工場として機能したノコギリ屋根が多く点在しており、現在では繊維業の衰退によって多くのノコギリ屋根が機能を失い形態だけを残している。
かつて必要とされた形態が現代において、必要とされなくなるという状況はこの地に限らず各地で起こりうることだ。スクラップアンドビルドの時代は終わり、既存の形態を再解釈し、どう現代・未来に位置付け直すかということがこれからの建築には重要ではないか。本計画はノコギリ屋根という既存の形態に対しての新たな建築像の提案である。

近藤直輝

担当教員より

高度経済成長期に繊維業が発達した愛知県一宮市尾州地区は、多くのノコギリ屋根の工場跡が機能を失ったまま残されている。この現状に対して新たな機能と形態を挿入することで建物と地区の再生を試みている。ノコギリ屋根に対して、矩形による様々な操作によって既存の架構が生きるように計画されている。敷地周辺や既存建物の架構の解像度の高いリサーチを基に、丹念にエスキースを重ねた設計、細部まで作り込まれた1/40の模型は圧巻である。

建築学科教授 布施茂