てまりかがり
—伝統工芸に学ぶ幾何学的な球面模様の生成システムと展開—
Temari Kagai -A Development of the Spherical Pattern Generation System Based on Japanese Traditional Craft-
プロジェクタ、綿、刺繍糸|プロシージャルCG
Projector, cotton, embroidery thread | Procedural CG
立体|H1100 × W150 × D150mm
スクリーン|H900 × W300mm ×5点
映像|3分17秒
作者より
日本の伝統工芸である手まりの表面に描かれる模様には幾何学的・数理的な美しさがあることが知られている。本研究ではその模様の構造を分析し、数式的な処理によって手まりをCG化するシステムの構築を行った。また、このシステムを応用した作品を制作し、伝統工芸の技法をコンピュータグラフィックス分野へ応用できる可能性や、デジタルコンテンツとして楽しむ新たな形態の可能性を提示することを試みた。
池田苑夏
担当教員より
日本の伝統工芸には技法と表現が一体となった美しい幾何学文様が多くみられ、手まりはその代表といえる。作者はその審美性を生成規則として捉えることを目指し、球面幾何の観点から数理的に追究した。それに加え、実装としてプロシージャルな技法を用いてかつてない様式美を実現するだけでなく、それを実物の手まりに還元して考察まで行った労作である。アルゴリズムが伝統文化の継承・発展にも有効であることを体現した秀作といえよう。
デザイン情報学科准教授 高山穣