佐伯詩央音

SAEKI Shion

音楽を観る、絵画を聴く
―ヨーロッパからアジア、中世から現代まで―
Looking at music,listening to pictures

本|紙
Book | Paper
H257 × W197mm(124ページ)、H257 × W197mm(112ページ)

作者より

2020年は未曾有の1年間だった。新型コロナウイルスの影響で音楽の公演や美術展が延期や中止を余儀なくされ、「芸術は不要不急」といった意見も出た。戦争や革命など危機の中でも芸術は発展し、それらは時に人々を鼓舞し、慰めてきた。過去の芸術を再考するために、音楽と美術を相互的に考える書籍を制作した。
上巻では絵画の中にある音楽や楽器について、下巻では音楽を表現した画家と、絵画から作曲された音楽についてまとめた。

佐伯詩央音

担当教員より

壮大なテーマを西欧、アジアにわたってやり切った。「眼聴耳視」(げんちょうじし)という熟語があるが、『観る耳・聴く眼』(窪田般弥著)には「お前が世界を見たいなら 眼をお閉じ」というフランスの作家の引用もあることから、漢字世界だけのものではないようだ。膨大なリサーチ、編集、レイアウト、装本ともに、プロの編集者並の力量を示していると言いたい。視覚と聴覚の共感覚を隠されたテーマとする「眼聴耳視」の体現である。

デザイン情報学科教授 森山明子