コウ ムロ

作者より

主人公の祐香里は、三十歳の誕生日の前に彼氏の涼太と別れ、またリストラされて、気分転換のため、週末に実家に帰ることにした。
しかし、実家での生活は思ったほどリラックスできず、意見のズレでよく母の静恵と喧嘩してしまう。
祐香里は大人として、わがままを言いたくないので、喧嘩してもすぐ静恵と仲直りをするが、二人の間にある問題はずっと解けることがない…

コウ ムロ

担当教員より

三十歳独身娘と過干渉母の葛藤、その緩衝を担う父。愛ある家族の歴史を背景にごく日常的な地雷バトルが展開する。全編を通し、静と動のリズム、独自のユーモアとペーソスの采配が絶妙で、娘父母三様のキャラクターと感情の交差、家族の絆を象徴する童謡からカラオケ、エンディングまで、シンガーソングライター・コウの書き下ろした歌唱曲が織りなす協奏を堪能した。冷静な視点で、役者、撮影、照明、美術との協業を結実させている。

映像学科教授　板屋緑