吉川布記

YOSHIKAWA Fuki

強く生きる子ども達の新たな出発点
A new starting point for children living strongly

プレゼンテーション|スチレンボード、紙、アクリル板、針金、バルサ板、ほか
模型|H450 × W1800 × D1800mm、H100 × W420 × D900mm、H500 × W500 × D10mm

作者より

日本には児童養護施設という、親と死別、親からの虐待などを受けた子供たちが住まう施設が存在する。しかし、彼らの存在は世間から隠され、建築的にも閉鎖的な場所である。心の傷を負った彼らの居場所がこのままで良いのか。そこで、彼らが施設の中でただ暮らすだけでなく、地域との交流を図る機能と共に自分たちの居場所として誇りを持てるような建築を提案する。
一つの都市、街並みのような建築の中で、自分と他者が関わり、対等な立場で空間を共有することで、擁護される立場とその他という構図から脱却することを目指す。

吉川布記

担当教員より

日本における児童養護施設が、社会的に隠れた存在であることを、建築によってそのイメージを変えることを目指した提案である。地域と交流できる児童養護施設とするため、図書館などの地域に開いた施設を設け、難しいゾーニングや動線計画を丁寧に解いた設計である。現状の児童養護施設の研究と同時に施設見学を重ね、ヒアリングによる問題点を計画に反映し、見事に設計提案としてまとめた力作であり、建築学科銅賞も受賞した作品である。

建築学科教授 布施茂