吉田真

YOSHIDA Makoto

産業遺産転用計画
Industrial Heritage Conversion Project

プレゼンテーション|スノーマット、チップボール、スタイロフォーム、PLA樹脂
本模型|H1300 × W2500 × D1100mm
広域模型|H430 × W660 × D800mm

作者より

用途が求めるシステムが更新されれば形をもった建築物は取り残され無用の長物となってしまいます。そこで建築と敷地を切り離さず一つの立脚点として捉え、それらの地場的な動態保存に向き合うことで、解体と構築の循環体系から一歩距離をおきます。そのように時を経て都市によって解体され続ける建築物との普遍的な関わり方を見直すことは、逆説的に建築が都市構造に介入していく手掛かりになるのではないでしょうか。

吉田真

担当教員より

現代の解体と構築の循環体系に対する疑問から、近代産業遺産の地場的な動態保存を試みた提案である。対象建物を京浜工業地帯の鶴見線大川駅に隣接する三菱化工機第一工場とし、メインの架構を保存しながら現状の駅に加え、資料館、美術館、古材販売所や工房を新たに計画したコンバージョンである。京浜工業地帯独特の素材やスケール感、既存の駅や運河などの敷地条件や既存の架構をうまく生かした秀作であり、建築学科金賞も受賞した作品である。

建築学科教授 布施茂