橋谷一滴

HASHITANI Shizuku

さびしさにまつわる幾つかのアプローチ
Some Approaches About “Sabishisa”

本|布、紙
H255 × W195mm(352ページ)

作者より

演劇を中心とするコミュニティの中で探り続けたあまい隔たり。それが齎す関係性の健全さと豊かさについて。

橋谷一滴

担当教員より

橋⾕は、他者と⼀緒に楽しい時間を過ごせば過ごすほどさびしさを感じるという、そして、さびしさはポジティブな感情だともいう。本研究は、このさびしさという感情に、⼿紙や写真、演劇といったさまざまなアートの⽅法で向き合い、理解しようとする研究をまとめたものである。特に中⼼的に扱われている演劇では、演劇の主題としてのさびしさだけではなく、演劇という⾏為に伴うさびしさ、すなわち他者を演じるという⾏為の不可能性に伴うさびしさであるという。演出として橋⾕が舞台で使う⾔葉は繊細で、端々に埋め込まれる間合いや躊躇が、空間を作り出している。

クリエイティブイノベーション学科教授 荒川歩