森俊史

MORI Toshifumi

今粘土の記録
Clay Records

土粘土、パステル
立体|[最小]H15 × W15 × D10mm〜[最大]H120 × W100 × D210mm(180点)
冊子|H182 × W257mm(60ページ)

作者より

「根が腐る」「人脈、葉脈」。机の上に置いてある植物を眺めていたらふと出てきた言葉。私が日々植物を観察するように私自身を観察してみよう。反応したものや形を毎日吐き出していく行為を通じて自分の存在する位置を見つけていく。作品の様相は大きく分けて6段階で推移していった。自身の感情や置かれている立場などを整理しながら、制作を進めていく事で、外部との繋がりが生まれた。根津観音通り商店街のプロジェクトでは、ワークショップを通して幅広い年代の人々と交流をした。

森俊史

担当教員より

なぜ⼈は表現するのか?縄⽂⼈が⼟偶を作った様に、体から出る表現や形を⽇記をつける様に圧倒的に表出する事によって⽣まれる、表現の意味、⽣きること、造形のダイナミズムを表現しようとした。我々は常に意味を求めて⽣きている、しかし⼈間の⽣や創造は意味から⽣まれるものでは無く、⾏動や表現の連続から⽣まれる。現代の意味にすがる、正解にすがる、結論にすがる、社会や、⽣き⽅に疑問を持ち、ただただ粘⼟による300ほどの表現がこの作品の本質である。圧倒的数、叫び、喘ぎのようなもの達から、我々はたくさんの、⽣きる意味を逆に教えられる素晴らしい作品集である。

クリエイティブイノベーション学科教授 若杉浩一