リュウ メイショウ

LIU Mingcheng

STRAW

映像|7分34秒

作者より

普段私たちは生活に必要なものを手に入れるため、労働や時間を費やし、得た瞬間に充実感を味わい、ものを独占したという感情が生まれる。それが必需品であろうとなかろうと、すでに多くのものを得ようがそうでなかろうが、我々には更なる欲がうまれる。この作品はこのような考えを繰り返したから生まれ、果てしない独占欲に影響された世界を描写した。

リュウ メイショウ

担当教員より

レストランで黙々と食事するホームレス老人のストローから展開される想像を絶した幻惑的視覚空間。まずは作者の執念に圧倒されてしまう。デジタル全盛時代に敢えて紙と絵具を画材として膨大な量の作画を休むことなく積み重ねる熱量は、映像に比類ない強度を与えた。ストーリーは「分かりやすさ」とは真逆だが、芳醇なイメージには表現のエッセンスが凝縮され、対峙する観客は作者の創造した極私的宇宙に翻弄されるしかないのである!

映像学科教授 黒坂圭太