冨田理紗子

TOMITA Risako

Arcism

スチレンパネル、液晶ディスプレイ
グラフィック|[最小]H362 × W243mm〜[最大]H832 × W1204mm(9点)
映像|39秒

作者より

円は不思議な形だ。角がないのに、それらが重なると鋭利な形を生み出すことができる。どこまでも拡大していくと直線にもなりえる。目に見えている全ての形は、円弧で捉えられるはずだ。全てが円弧で描かれた世界を作ってみる。私はこれをArcismと名付け、「完成されたヴィジュアルの再構成」と「人の動きが持つリズム」の二つの視点からアプローチした。どちらも離れて見ると形が浮き上がり、近付くと破綻する錯視的な性質を持っている。

冨田理紗子

担当教員より

本作は、キュビズムならぬアーキズム(円弧主義)絵画である。もつれた糸のような円の集積は一見、なんの絵かさっぱり分からないが、近づいたり遠ざかったり、凝視するうちにイメージが結像されてくる。一度何の絵か了解されると一気に実像が浮かび上がる。「あ、北斎の富嶽三十六景!」、「宗達の風神雷神図かも!」。律動する円は独特のエネルギーを湛えている。絵を理解するまでのモヤモヤした時間も作品の魅力かもしれない。

基礎デザイン学科教授 板東孝明