芹澤碧

SERIZAWA Aoi

Is there そこにいる

インスタレーション|水、アクリル板
H1000 × W700 × D700mm(2点)
映像|1分30秒

作者より

本作品は、水をメディアとし、日常に見る水とは異なる動きや形を作り出すことで、物質に対する認識を再考するものである。水そのものの「物質らしさ」や、形や動きから連想される「映像らしさ」「バーチャルらしさ」といった側面から、私たちが知る水の姿と目の前にある水の姿との認識のずれを作り出す。目の前で実際に水の形が変化することによって、物質の知らない姿を知る体験を生むだけではなく、人がどのように物質を認識しているのかを知る体験を生み出すことを目的とした。

芹澤碧

担当教員より

白い空間に浮かぶ透明な生命体らしきもの。それらは、脈を打ったり、身をくねらせて伸び縮みしたりと、形を変容させながらその場に息づいている。物体を動かす心臓や筋肉があるかのように見えてくるが、その正体は私たちがよく知っているはずの水である。まるで意思を感じる動きに目が釘付けとなり、じっと見てしまう体験。知っていると思い込んでいるものにもまだ知らない一面がある。その可能性を私たちに示してくれる。

基礎デザイン学科准教授 三澤遥