狩俣こみち

KARIMATA Komichi

視覚的類似性による「見立て」の美術表現

インスタレーション|アクリル合板パネル、既製品
本|H210 × W297mm
パネル|H594 × W841mm(4点)、H760 × W1080mm(2点)、H1080 × W760mm
実物|H100 × W450 × D450mm、H150 × W450 × D450mm、H300 × W600 × D600mm

作者より

本作はあるものを別のものに準える行為「見立て」をテーマに制作しました。
身近なものの組み合わせで全く別のものを表現した作品とその作品集、その中から抜粋された作品の大型写真パネルによって構成されています。作品については、形態的な特徴から連想し、類似性のあるモチーフに見立てて表現し制作しました。視点の変換によって物の文脈や役割が転換する「見立て」の面白さを感じ取っていただければ幸いです。

狩俣こみち

担当教員より

視覚的類似性による「見立て」の美術表現の研究である。「見立て」という概念は特定の対象や状況を別の視点から捉え直す行為を指す。アルチンボルドや歌川国芳のみならず「見立て」は現実の延長線上にありながら異化を試みた表現であり、根底ではシュルレアリスムやファウンド·オブジェなどとも通底している。作品制作と研究レポートにより解釈の多様性はいかにして生成することができるのかを問い、自分の無意識の存在に気づき探究した秀作である。

芸術文化学科教授 是枝開