加納彰典

KANO Akinori

AMI

木(檜、ぶな)、曲木
stool|H800 × W400 × D500mm
lounge chair|H700 × W500 × D600mm
stool|H440 × W400 × D320mm
bench|H440 × W750 × D320mm
basket|H280 × W400 × D320mm(3点)
wagon|H800 × W440 × D300mm

作者より

日本の伝統的な竹籠からインスピレーションを受けて、このコレクションをデザインしました。

針葉樹である木曽檜を薄く割き、「四つ目編み」を施しました。密度が高く、程よくしなる檜は、編むことに適しています。「編む」という要素からイメージされる温もりと、檜の手触りが調和する、柔らかな雰囲気のコレクションにしました。
背もたれと座面のクッション性、および強度も、編み込むことによって実現しています。フレームには傾斜をつけて、座り心地をより良くしました。また、ボリュームを出すことで強度を高めると共に、編み部分との親和を図っています。檜の軽さが引き立つバスケットは、スタッキングができるようにデザインしました。
本来工芸的な「編む」作業を、プロダクトに落とし込むべく、型を使用して材に癖をつけ、規格を合わせることにより、生産性を向上させてます。

木曽檜の性質と「編む」ことの掛け合わせによって、ビジュアルと機能を両立させ、バランスのとれたデザインにまとめ上げました。

加納彰典

担当教員より

4つ目の竹籠から着想を得て、“木を編み込む”という1つの要素をデザインの主軸に置き、椅子、スツール、ベンチ、ラウンジチェア、コンテナー、棚というコレクションまで発展させ製作したことが、高く評価された。編み込み材は、厚さや幅などの寸法や、ヒノキ材の選定など、失敗を繰り返すことで最適解を見つけ、ジグを製作することで、安定した編み込み面を制作し、それにより同品質のものを量産できる製作方法を確立できたことが、全体のクオリティへとつながっている。

工芸工業デザイン学科准教授 熊野亘