シャダポー夢亜

作者より

Balade : 散歩
Ballade: バラード（音楽）、詩

パリで過ごした1年間、散歩ばかりしていた。
街を歩いていると、その土地で暮らす人々の気配や、生活の跡、街の歴史を感じる。
歩きながら感じ取ったそれらの感覚を、作品にして残したいと思った。
日本画の画材と、西洋的なモチーフを組み合わせることで、2国にルーツを持つ自分ならではの表現ができるのではないかと考えた。

シャダポー夢亜

担当教員より

シャダポー夢亜は大学へ入学したときから極めて明確な計画を持っていた。それはご両親の出自であるフランスと日本の文化を研究することから自己の表現を探るということであった。在学時、交換留学生としてパリに滞在したが卒業制作ではその成果が十分に発揮された。屏風という形式を用いて作られた支持体にパピエ・コレのように地図を貼り、日本画絵具以外の様々な材料を併用して色彩豊かで重層的な表現を生み出している。題材としたパリの街頭は横尾忠則のY字路を連想させるが、それよりもむしろ彼女自身が歩んできた道を暗示しているのかもしれない。

日本画学科教授　尾長良範