内野紗葉

UCHINO Sayo

オストラネーニエ
Defamiliarization

ノート、受領書類、新聞紙、軍手
ノート類|H297 × W210mm(9点)
新聞紙|H545 × W813mm〜H546 × W813mm(3点)
軍手|H1200 × W1820mm

作者より

日常で当たり前に使われているものは、その機能ゆえに深く意識されることなく見過ごされている。
私は制作を通して、そうした既成の用途やイメージから対象を切り離し見慣れたものを見慣れないものとして捉える行為を繰り返してきた。
ノートの罫線、新聞紙、レシート、軍手―それらに手を加え、分解し、並べ替える中で物がもともと内包していた秩序や構造が輪郭を現しはじめた。
本作は、新たな意味を付与するというよりも、制作という行為を通して、すでにそこにあった構造を表に出す試みである。

内野紗葉

担当教員より

原稿用紙や帳票を罫線に沿って裁断し、升目に従って折り畳み、あるいは短冊状にして輪っかにする。軍手の黄色いゴムの滑り止めを切り抜く。新聞やレシートの全面を鉛筆で鈍く光るまで黒く塗りつぶす。こうした造形行為が構築ではなく解体へ、秩序ではなく逸脱へ、すなわち造形と真逆の方向へとむかう時、何が顕在化するのか。これらの実験作品においては目的や意図はなく、「してみたい」という衝動が作業を突き動かし、その結果、日常品は機能を剥奪され、退行の果てにケイオティックな「負の造形」として立ち現れる。

基礎デザイン学科教授 板東孝明