田中なつみ

Tanaka Natsumi

RYOKAI MANDA-La MANUAL

本、インスタレーション|紙、布、木材
Book, Installation art | Paper, cloth, wood
本編|H290 × W290 × D43mm
解説書|H210 × W210mm
帙箱|H300 × W300 × D50mm
映像|43秒 ×2点

作者より

マンダラと聞くと難しいイメージを抱く人は少なくないだろう。
今回私はそんな人にマンダラ、特に日本密教で用いられる「両界曼荼羅」を紹介するための解説本を制作した。マンダラの特徴を本に生かし、マンダラをよく知らない人でも感覚的に知ることのできるような本にしている。また、動きなどの部分は動画を制作することでよりわかりやすくしている。
この作品でマンダラに興味を持つ人が1人でも増えたら嬉しく思う。

田中なつみ

担当教員より

『RYOKAI MANDA-La MANUAL』は、田中による「両界曼荼羅」の解説書である。ただし、巷に溢れる解説書とはわけが違う。田中は曼荼羅に関する書物を徹底して読み込み、分析し、その関係性を紐解くべく視覚言語化を進めた。曼荼羅の「図」は見て理解できるものとされるが、一般的には難解だ。なぜなら図の背後には膨大な数の記号と言葉とその意味が存在するからだ。その意味を「わかったかのように」でなく、あくまでも読者が理解できることを前提として編まれたのが本書である。大悲胎蔵生曼荼羅と金剛界曼荼羅の二項を両面から読み進むと中央で「両部不二(二つでありながら一体となる)」となる造本。そして現代的なタイポグラフィと精緻な図解構造。田中の4年間の結晶がここにある。

視覚伝達デザイン学科教授 白井敬尚