鈴木正義

SUZUKI Seigi

触媒
Catalyst

プレゼンテーション|スチレンボード、スタイロフォーム、紙、アクリル板、ほか
模型|H600 × W2900 × D910mm、H150 × W600 × D600mm

作者より

都市には過密により様々な要素が緊密な隣接性を伴いながら存在している。しかしながら、それらの要素が「隣接しているだけ」であり、要素間の関係が希薄であることによって、都市に混沌とした環境が生まれてしまっている。今回の敷地である箱崎もまた、その一例である。
そこで、私はそこに一つの大階段を挿入した。既存の地下鉄駅とバスターミナルを合理的に繋ぐそれは、箱崎の多重する要素と人々のアクティビティを露わにしつつ、それらとの交点を作り出す。これによって、既存の都市構造を変異させ、新たな都市環境と都市体験を提案した。

鈴木正義

担当教員より

この作品は首都高速6号線、7号線、9号線の3放射線の車両が集中する首都高速屈指の渋滞の名所である箱崎ジャンクションを計画地としている。複雑に交錯する土木構築物を把握するだけでも大変な現状に加え、地下鉄水天宮前駅から箱崎ジャンクションへ大階段の動線を挿入することで現代都市インフラの見えない構成を一気に顕在化することに成功している計画である。最小限の操作によって様々なレベルの問題を解決している秀作である。

建築学科教授 布施茂