髙谷竜太

TAKAYA Ryuta

山に種まき、根をのばす
Sow the mountains and grow the roots

プレゼンテーション|段ボール、スチレンボード、紙、砂、ほか
模型|H350 × W1000 × D350mm、H150 × W350 × D490mm、H200 × W350 × D490mm、H600 × W900 × D900mm

作者より

建築は時に、文化の拠点として存在します。その特性は人工物のない山においてはより色濃くなります。山小屋建築はその代表的な存在です。山小屋は登山者への寝床・食事の提供のみならず、登山道整備や遭難者の救助などの安心安全な登山環境に欠かすことのできない公益業務を担っています。この計画ではその登山文化の肝である山小屋建築の衰退を受け、この先山小屋はどういった場になり、どう周辺の環境と関係すべきかを東京・雲取山を舞台に考えます。

髙谷竜太

担当教員より

2006年に雲取山を訪れた際、(旧)奥多摩小屋のトイレに立ち寄った。テント泊利用者がほとんどのこの小屋は、トイレ利用がメインでそのトイレはとても臭かった。2019年突然この小屋は閉鎖され、跡形もなく解体された。もう宿泊ができないことから山登りの間では惜しむ声が沢山聞かれた。そんな状況で小屋を復活させたいという彼の提案は、まるで「暖かいお味噌汁」のようで登山するものの心を満たしてくれるものがある。また雲取に登ろう。そしていつか山小屋を復活させよう。

建築学科教授 菊地宏