山本日和

作者より

近年の本屋は、本とは別の物や場所と掛け合わせたアイデアが特徴的です。こうした多様化する本屋は今に始まったことではなく、日本で本屋が誕生した江戸時代にも存在します。本書では「本屋で売っている他の商品」「本屋ではない場所・環境」に注目して各時代の本屋をたどっていきます。当時の出来事・流行が本屋にどんな影響を与えていたのか、文化や人々の暮らしと照らし合わせて、本屋さんの店構えのルーツを「探訪」していきます。

山本日和

担当教員より

古本カフェに発し、江戸時代には本と薬が同じ店舗で提供されていたとの発見がこの研究の動機の一つであった。薬が病を治すのに対して心を癒すのが本だったとは、現代だからこそ感銘新たな事実だと思う。書店にも図書館にも変化の波が押し寄せている中、本屋の原点と最新動向とを網羅した書籍は丁寧で手堅く、関係者の密かなバイブルになり得るのではなかろうか。

デザイン情報学科教授　森山明子